自分を構築する大事なパーツを壊してしまった。
これがないと俺らしさがなくなる。
アイデンティティーの消失ほど恐ろしい物はない。
俺は必死に壊れたパーツを集める。
パーツは意外とあっさり集まった。
一つ…ある欠片を除いて。
無くても機能するのだが、それが無いと穴が塞がらない。
一筋…何かが頬を伝う。
それが涙だと気づくのに少し時間がかかった。
俺に大きな穴があいた。
全て消えてしまえ。
みんな無くなれ。
叫んでみたがだめだった。
俺が居なくなっても世界は廻る。
無数にある可能性が一つ消えるだけ。
そっとビルの屋上に立つ。
夜の街は思いの外静かだ。
高所恐怖症だが今は不思議と怖くない。
俺は…落ちた。
『さよなら。最後まで迷惑かけた。』
そう書かれた文章を残して。
たまにはこういう文も悪くないと思った。
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