2009年9月6日日曜日

欠片

俺は壊れた。

自分を構築する大事なパーツを壊してしまった。

これがないと俺らしさがなくなる。

アイデンティティーの消失ほど恐ろしい物はない。

俺は必死に壊れたパーツを集める。

パーツは意外とあっさり集まった。

一つ…ある欠片を除いて。

無くても機能するのだが、それが無いと穴が塞がらない。

一筋…何かが頬を伝う。

それが涙だと気づくのに少し時間がかかった。

俺に大きな穴があいた。

全て消えてしまえ。

みんな無くなれ。

叫んでみたがだめだった。

俺が居なくなっても世界は廻る。

無数にある可能性が一つ消えるだけ。

そっとビルの屋上に立つ。

夜の街は思いの外静かだ。

高所恐怖症だが今は不思議と怖くない。

俺は…落ちた。


『さよなら。最後まで迷惑かけた。』

そう書かれた文章を残して。

たまにはこういう文も悪くないと思った。

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